10 クローバーフィールド・レーン

10 クローバーフィールド・レーン』には、『Portal』のファンムービー出身の監督、『Portal』と類似した映画内容、『Portal』の映画化権を持っているプロデューサー、という偶然とは言い難い条件がそろっています。ここから推測できるのは、エイブラムス氏は大作のポテンシャルを持つ『Portal』の監督としてトラクテンバーグ氏を引き入れましたが、出資者を説得するためには優れた監督であることを証明する必要があったのではないかということ。それを立証するために、知名度もあってある程度収益が予想できる『クローバーフィールド/HAKAISHA』の関連作という土台を提供し、トラクテンバーグ氏が得意かつ『Portal』に近い密室劇『10 クローバーフィールド・レーン』を製作したのではないか、と想像できます。

結果として『10 クローバーフィールド・レーン』は、1500万ドルの製作費に対し、米国内だけで7000万ドル以上の興行収入をあげています。さらに映画レビューサイトRotten Tomaoでも、90%の批評家の支持、82%の観客の支持を得ています。これにより、トラクテンバーグ氏が多くの批評家をも納得させる映画を作れると証明したことになります。また、3月のIGNによるインタビューでエイブラムス氏は、『Portal』と『Half-Life』の映画化企画は動いていると答えていることから、この『10 クローバーフィールド・レーン』のヒットにより映画化企画が前進したとみていいのかもしれません。あくまで仮定ではありますが。

もし、あなたが『Portal』の大ファンで、同時に映画ファンでもあるなら、6月17日公開の『10 クローバーフィールド・レーン』をぜひともチェックしてみてはいかがでしょうか。『Portal』の精神を、そこで観て取れるはずです。

イザナギオンライン RMT